2012年02月28日

エルピーダ事件











これは役人的経営の失敗と、
経済産業省の力のなさ、中途半端なタニマチ的後押し、
坂本氏が業界動向を読めなかった結果でしょうなぁ

円高でもDRAM価格下落でもガンバッテるトコは多々あるわけでして。



 半導体メモリー(DRAM)大手のエルピーダメモリは、米マイクロン・テクノロジーとの資本提携交渉を水面下で進めたが、見通しが立たずに自力再建を断念せざるを得なかった。

 新たな支援企業としては、交渉していたマイクロンが有力になるとみられるが、東芝や韓国勢など、マイクロン以外の支援企業が名乗りを上げる可能性もある。

 会社更生手続きの申し立て代理人である小林信明弁護士は27日の記者会見で、「いつまでに、とは申し上げられないが、事業価値を維持するためになるべく早く(支援先を)決めたい」と述べた。エルピーダの坂本幸雄社長も「DRAMの火を消したくない」と強調した。

 DRAM価格の下落と歴史的な円高に苦しむ中で、生き残りのために最後の望みを託したのが米マイクロンだった。2月3日にはマイクロン幹部が来日し、経済産業省やエルピーダの主力取引行の担当者らと面会し、出資に前向きな意向を伝えていた。

 だが、マイクロンは、約4000億円(11年12月末)のエルピーダの有利子負債を肩代わりすることに難色を示し、合意できなかったとみられる。

 今回の法的整理は「DIP型会社更生」と呼ばれるのが特徴で、提携交渉にあたった坂本社長が当面続投する。フラッシュメモリーも手掛けるマイクロンがDRAMの技術力に定評があるエルピーダと組めば互いにメリットがあり、有力な支援企業になりそうだ。

 会社更生法の下では、再建の実現性や支援額などを勘案して幅広い候補の中から支援企業を選ぶ。エルピーダの技術力は世界的にも評価されており、マイクロン以外の企業も名乗りを上げる公算が大きい。

 その一つが、規模を一段と拡大して競争力を高めたいDRAM2位の韓国・ハイニックス半導体だ。日本勢の中では、半導体に強い東芝に対する期待感が取引銀行などから出ている。

 

 

一方、システムLSIの分野では、半導体大手ルネサスエレクトロニクス、富士通、パナソニックの3社が事業統合を検討している。

 その過程で発足するLSIの生産部門は、半導体受託製造大手の米グローバルファウンドリーズと、官民共同出資の産業革新機構が設立する新会社に移す計画だ。この会社は、エルピーダの主力の広島工場取得を検討しているとされ、支援企業選びに絡む可能性がある。

 ただ、坂本社長は「(単体で約3200人いる従業員の)リストラはいまは考えていない」と述べた。広島工場の売却も当面ないとしており、支援企業選びや再建計画に影響を与える恐れがある。

 提携交渉を巡る坂本社長の手法に不信を抱く金融機関が再建に協力するかどうかもカギを握る。(山内竜介、金島弘典)

システムLSI(大規模集積回路)

 複数の機能を一つのチップに集めた半導体。機器の小型化が可能になる反面、家電や自動車メーカーごとに注文が異なるため開発や生産コストがかさむ。
フラッシュメモリー

 データを繰り返し記録でき、電源を切ってもデータが消えない半導体。デジタルカメラなどで撮影した画像を記録するSDカードなどに使われている。

(2012年2月28日  読売新聞)
 

 

エルピーダ破綻 「国策会社」守り切れず

 ◇公的資金投入から3年 経産省、戦略見誤る

 経営再建中だった半導体大手エルピーダメモリが27日、破綻した。国が主導して国内大手電機メーカーのDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)事業を集約した「日の丸半導体」メーカーだが、国が公的資金を注ぎ、「国策会社」となりながらも、世界大手に対抗できなかった。今後は借金を整理して支援企業を探すが、世界的な業界再編の引き金になる可能性がある。公的資金投入から3年足らずで国民負担を生じさせた経済産業省の責任も問われそうだ。【和田憲二、窪田淳、大久保渉】

 「DRAMの国内生産を維持したいが、エルピーダのサプライチェーン(部品供給網)における位置づけは(公的支援を決めた)当時とは大きく異なる」。枝野幸男経産相は27日、記者団にこう述べ、エルピーダが「破綻」しても産業界に重大な影響は生じないとの見方をにじませた。

 

 経産省は09年、改正産業活力再生特別措置法(産活法)の第1弾としてエルピーダへの公的資金投入を決めた際、韓国勢に対抗していく戦略を描いた。だが、DRAMは比較的簡単に作れるため、躍進した韓国勢に対抗するには「際限なく巨額投資を続けなければならない」(電機メーカー幹部)。そこに歴史的な円高やタイの洪水が直撃した。

 エルピーダは3月末に産活法の期限を迎えるため日本政策投資銀行への返済資金捻出のため資本を6割超減資すると発表する一方、同法適用の3カ月延長を経産省に打診していたが、同省は「具体的な再建計画がない段階で支援しようがない」(幹部)と退けた。

 「汎用(はんよう)化が進み、調達に混乱はない」(エルピーダからDRAMを仕入れている電機メーカー)という状況の中で、追加支援すれば国民負担が拡大しかねない、との警戒がある。支援作業に関わった同省幹部がエルピーダ株をめぐる金融商品取引法違反(インサイダー取引)容疑で逮捕されたことも、「動きづらい状況」(他の幹部)を招いたという。資金繰りを全面的に支える主力取引銀行が不在で、「汗をかく銀行が最後まで出てこなかった」(大手行)という事情もあった。

 ただ、焦げ付いた出資は国が補填(ほてん)する仕組みで、税金による穴埋めは最大280億円に上る可能性がある。出資は経営に対する議決権がない優先株で行われるため、「再建計画の進捗(しんちょく)を監視できるのか」との指摘は以前からあった。円高の進行や産業再編の不発など経産省のリスク見通しの甘さもあり、政治に対する批判や責任追及も浮上しそうだ。

 エルピーダ破綻は国際的な価格競争の中で稼ぎ頭を見つけられない国内産業の苦境も浮き彫りにした。電機業界からは「独り勝ちの韓国メーカーは税制優遇など国の支援が充実している。国家戦略の違いで負けた」との声も出ている。

 ◇社長続投、再建へ 「DRAM、灯消さぬ」

 「経営者として会社の行く末を見届けないといけない」。エルピーダの坂本幸雄社長は記者会見でこう述べ、留任して、再建に関わる方針を示した。会社更生法で4000億円を超える負債(借金)を削減し、経営をスリム化できれば、提携の相手が広がり、再編にはずみがつくことも期待できる。

 

会社更生法は、裁判所に選ばれた弁護士ら管財人が、債務カットや経営合理化などの再建策を盛り込んだ更生計画案を策定。債権者らの集会で可決されれば、裁判所が計画を認可する。経営陣は原則交代するが、09年の運用改定で、債権者らの同意があれば、事業をよく知る経営者が再建に関わることが可能になった。ただ、エルピーダの負債総額は製造業では過去最大で、公的資金の焦げ付きで国民負担も生じる。社長続投には批判が出る可能性がある。

 坂本社長が続投するのは、自身が進めていた米大手マイクロン・テクノロジーなどとの提携交渉を継続するためとみられる。ただ、海外メーカーがスポンサーとして経営を主導することになれば、技術や人材が流出するリスクが増す。国内唯一のDRAMメーカーが破綻したことで技術流出を懸念する声も上がる。

 デジタル機器のデータ管理に使用されるDRAMは、価格変動が大きい。一般的な製品はすぐに価格が下がるため、開発競争が厳しく、価格を下げるための大規模投資も必要だ。「DRAMの灯を消したくない」という坂本社長は、価格下落が激しい汎用品ではなく、需要と利益が見込めるスマートフォン(多機能携帯電話)向けなどの高機能製品に絞り、海外勢との差別化を図り、経営再建につなげる方針だ。

 米調査会社IDCによると、エルピーダの売上高の世界シェア(10年)は16・4%。坂本社長は「生き残るには3割のシェアが必要だ」と述べた。調査会社アイサプライ・ジャパンの南川明副社長は「DRAM以外も手がける国内外のメーカーと提携して高性能の製品に絞れば、再建の可能性は十分ある」と話している。【竹地広憲】

http://mainichi.jp/select/biz/news/20120228ddm003020094000c.html

 

 エルピーダメモリの破綻は、日本の製造業の苦しい実態を象徴している。1980年代に世界で圧倒的な存在感を示した日本の半導体事業は、円高や経営判断の誤りで新興国にその座を明け渡してしまった。


 半導体は様々な家電製品や電子機器に使われる「産業のコメ」と呼ばれ、80年代に世界市場を席巻して日本の“お家芸”と言われた。85年には、生産量で米国を抜いて世界一となり、米国との間で半導体摩擦と呼ばれる貿易問題まで引き起こすほどだった。

 だが、同年にドル高是正で先進5か国財務相・中央銀行総裁会議で合意。急速な円高が進み始め、日本の競争力は次第にそがれていった。

 さらに、日本勢の戦略の読み違えが追い打ちをかけた。日本は需要の少ない大型のコンピューター向けを得意としていた。だが、95年には米マイクロソフトがパソコン用基本ソフト(OS)のウィンドウズ95を発売し、パソコンの急速な普及は確実視されていた。90年代以降に台頭した韓国サムスン電子などは、こうした動きを見越して、巨額投資を続けた。

 半導体には、2〜3年で市況が大きく変動する「シリコン・サイクル」があるが、韓国勢は市況が悪化した時も大型投資を続けた。

 一方、市況悪化を懸念する日本勢は生産増による価格下落を避けるため、投資を絞り込んだ。日本勢は韓国勢を追いかける形で投資を行ったが、最先端の製品開発も遅れる「悪循環にはまった」(経済産業省幹部)という。現在、半導体の売上高で世界10位以内に入るのは東芝とルネサスエレクトロニクスだけだ。

 エルピーダの坂本幸雄社長は27日の記者会見で破綻の原因について「(DRAM価格が)1年前に比べ3分の1にまで落ち込んだ」と指摘した。しかし、DRAM世界一のサムスンはフラッシュメモリーやスマートフォンなども手掛け、市況の悪化に業績が左右されにくい。

 フラッシュも手掛けるマイクロンとの提携交渉を早い段階で始めていれば自力再建の道は開けたかもしれない。(経済部 戸田雄) 


半導体大手のエルピーダが経営再建のめどが立たず、27日に東京地裁に会社再生法の適用を申請した。負債総額4480億円は製造業の中では過去最大となる。韓国でも同話題に注目が集まり、「韓国に完敗」と伝える一方で、サムスンやハイニックスなどライバル社には好機だとし相次いで報道した。

一部では、会社更生法の適用でエルピーダへの投資はさらに縮小し、結果的に競争力を失い、市場から撤退する可能性を指摘しつつも、最終的には破綻する可能性は低いと分析するメディアもある。エルピーダはシェアが10%を超える世界3位の業者で、「日本のメモリ産業を代表するプライドのようなもの」であり、日本政府がエルピーダの没落を放置しないだろうとの見通しがあると見ている。

韓国メディアは「エルピーダが破綻で日本衝撃…韓国に負けた」「韓国半導体に完敗…日本の世界3位業者が破綻」と題して、 
「日本の半導体産業のシンボル」であり「日の丸半導体の愛称で呼ばれていた」エルピーダの破綻申請を続々と報道した。 

 
 
 経営再建中の半導体大手エルピーダメモリは27日、会社更生法の適用を東京地裁に申請し、経営破綻19 件した。世界的な過剰生産による製品価格の下落や長引く円高で資金繰りが悪化し、自主再建を断念した。負債総額は昨年3月末時点で4480億円となり、国内製造業の破綻19 件では過去最大。

 政府は09年に改正産業活力再生特別措置法(産活法)を初適用してエルピーダに公的資金を投入したが、再建に失敗した。経産省は最大で約280億円の公的資金が焦げ付き、国民負担となる恐れがあると説明。東京証券取引所はエルピーダ19 件株の上場を3月28日に廃止すると発表した。

http://www.47news.jp/CN/201202/CN2012022701001798.html

 

 

2月28日(ブルームバーグ):エルピーダメモリの経営破綻を受けて経済産業省は、資金繰りに影響が出そうな中小企業への対策を打ち出した。日本政策金融公庫や商工組合中央金庫を通じた資金調達の仕組みを活用できるようにするのが柱。経産省が28日発表した。

  公庫や商工中金などに窓口を設けてエルピーダ会社更生法申請で資金繰りに影響を受ける中小企業の相談を受ける。中小企業は公庫からセーフティネット貸付(経営環境変化対応資金)を、商工中金から危機対応貸付を受けられる。さらにエルピーダと直接取引関係を持つ中小企業は信用保証協会が調達資金を100%保証する制度も導入する方向だ。

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M02YOW6K50Y801.html

 

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